高齢者によくみられる足のトラブルの一つが、末梢循環不全です。末梢とは、手や足の先のこと。循環不全は、血行が悪いということをいいます。高齢者の場合、歩いたり足を動かす機会が減少したり、糖尿病や動脈硬化により足の血行が悪くなったりすることがよくありますが、マッサージをし、着圧ソックスなどを着用することにより血行を保つことができます。ただ何もしないでいる場合、末梢循環不全となり、いつでも足の先が冷たくて皮膚の色が悪いという状態になる恐れがあります。循環不全になると、むくみやすくなり感覚が鈍くなるので、靴擦れや床ずれで足に傷ができても気が付かず、悪化してしまうことがあるので注意が必要です。
次によく見られるトラブルの一つが巻き爪です。長年使いこんだ足は、靴などの圧迫で巻き爪になっていることも。歩くたびに痛みを感じることもあれば、時に化膿したり腫れてしまうこともあります。さらに、長年水虫に悩まされているという人もいます。無治療で経過すると、趾間はジクジク、爪は肥厚していることもよくあります。また、靴下を履き替える動作が難しく、同じ靴下をはき続ける場合もあり、衛生的にも注意が必要です。このように、末梢循環不全や巻き爪、水虫はよく見られますが、足の先からできた小さな傷から足先が壊死を起こしてしまうこともあります。また、ひどくなると全身に感染が広がってしまう恐れもあるため、高齢者のフットケアは日々のお手入れにより足を清潔に保つこと、そして血行を良くすることが求められます。