高齢になると生活の活動範囲も狭くなりがちになり、運動する機会も減ってしまうため、体の柔軟性や筋力が低下していきます。特に、足の筋力や柔軟性などに問題が生じると、バランスを崩しやすくなり転倒するリスクが高まってしまいます。高齢者の転倒は外出先だけでなく、自宅の室内や庭先などの小さな段差や滑りやすい床材などで起きてしまうため、日常生活の中でリスクを軽減する取り組みも必要です。室内をバリアフリーにしたり手すりをつけたり、スリッパや靴下などもすべりにくい素材のものを選ぶようにしてください。
また、高齢者は転倒により骨折や打撲などによって体を動かせない期間が長くなると、さらに足の筋肉などが低下していき、歩行機能自体が衰えていきます。ひどいケースでは、怪我が原因で寝たきりになることもあるため、高齢者にとって足の筋力を保つための機能訓練はとても重要です。歩くための筋力を保つためにできるだけ外出する機会を増やしたり、ウォーキングなど散歩をする時間を設けるのもおすすめです。室内でも座ったままでできる大腿四頭筋やふくらはぎの筋肉を維持するための、筋トレなどを取り入れるようにしましょう。さらに、体操やストレッチを取り入れることで、体の柔軟性を保つことでバランス感覚を養うことも可能です。高齢者の機能訓練は安全性を確保し、年齢や身体レベルに合わせて体に過度な負担が掛からないような運動方法を選ぶようにしましょう。